講師 気象予報士 平井信行
平井 信行 氏の略歴
1967年生まれ、熊本県八代市出身。
ウイング所属で常務取締役気象情報部長。
趣味はマラソン。
1996年より埼玉県春日部市在住。
講演概要
前半:天気予報に関する事項をクイズ式に10問設問と解説
①異常気象とは何年に一度か? 回答:30年
②地震雲はあるか? 回答:ない(科学的根拠なし)
③地震でマグニチュードとは? 回答:規模(大きさ) 地震の強さは震度で表す
④マグニチュードが小さいと揺れも小さい 回答:揺れの大きさは震度で表す
マグニチュードが小さくても直下型は大きい。
熊本地震6.5と7.3→震度7(2回)、
東日本大震災9.0→震度7
⑤「記録的短時間大雨情報」とは何年に1度か? 回答:数年
⑥「特別警報」とは何年に1度か? 回答:50年
⑦「避難に時間を要する人は早めに避難」は? 回答:準備情報
⑧台風の語源は? 回答:英語の “typhoon” の音訳。岡田武松氏の命名
⑨台風の中心は最も危険か? 回答:中心は弱く、約50㎞離れた場所が強い。右側が危険。
⑩台風の上陸が最も多い都道府県は? 回答:鹿児島県、次は高知県。
沖縄など島は上陸とは言わず、「通過」と表現。
後半:平成27年9月「関東・東北豪雨」と平成28年4月14日「熊本地震」について、
豊富なパワーポイントを用いて、その背景と実情について予報士の立場から詳細に解説。関東は豪雨災害が比較的少ないといわれるが、過去にはカスリーン台風(昭和22年9月に発生し、死者1,077名、行方不明者853名を出した)の例がある。カスリーン台風は利根川、荒川などの堤防を200カ所以上も決壊し大被害をもたらした。熊本は地震が少ないという風評があったが、昨年4月「熊本地震」が発生した。熊本地震は典型的な直下型の地震で、震度7が2回発生。これは前例がない。因みに震度6強が2回、6弱が3回、5強が5回、5弱が12回と地震回数が多いのが特徴。さいたま市も30年以内に震度6の地震が58%の起こるという予報がある(熊本は7%代)。「災害は忘れた頃やってくる」という寺田虎彦の言葉がある。この2つの災害事例を教訓として、防災を怠らないようにという戒めを話された。テレビの天気予報さながらの分かりやすく、楽しく聴かせていただきました。