日時:平成29年7月5日(水)10:00~11:40
場所:コムナーレ9階15集会室
出演者の皆さんは、落語教室として最も古い北千住にある「キャナリー落語教室でプロの噺家から毎月1回稽古をつけてもらっている落語愛好家5名の方々です。
『親子酒』 鹿鳴家さん好
元プラント設備会社のサラリーマン。落語教室・三遊亭歌奴クラスの最古参。
滑稽噺を得意として活躍中。
(あらすじ)
古典落語で大酒飲みの親子の噺。大酒飲みの親父は先のあるせがれに事があってはと親子が相互に禁酒を提案。ある日、親父は我慢しきれずに適当な理由をつけて一杯、一杯と重ねてべろんべろん。一方、せがれは仕事の付き合いから断れずにぐでんぐでんに酔って帰宅。親子はばつが悪く、いろいろ取り繕っていたが、親父はこんな大酒飲みの息子に身代は譲れないといえば、こんなぐるぐる回る身代なんていらないというサゲ。
『お化け長屋』 鹿鳴家あん好
茨城県出身の元銀行マン。「笠碁」などじっくり聞かせる噺、とぼけた与太郎・人情話など
多岐にわたる持ちネタがある。端唄なども得意。
(あらすじ)
古典落語でも有名な噺。店子の古株、古狸の杢兵衛が世話人の源兵衛と相談し、
店を借りにくる人間に怪談噺をして脅かし、追い払うという噺。最初に現れた客は気の弱そうな男で、杢兵衛の語る怪談話にすっかり怯えて、財布を置いて逃げ帰る。次に現れた男は、豪胆な男で、杢兵衛の語る怪談話など怯える風もなく、一方的に長屋を借りると言い放って帰ってしまう。よく見れば先客が置いて行った財布まで持ち帰ってしまった。
『ちりとてちん』鹿鳴家ここあ
関西出身の女性落語家。昨年11月大阪池田市で行われた桂文枝が審査委員長の
「全日本社会人落語選手権」で「池田市長賞(4位相当商品)」を受賞、
全国に知られた社会人落語界の実力者
(あらすじ)
上方落語。何でも知ったかぶりをする気取り屋の男と、いつもこの男に翻弄されている男の噺。腐った豆腐は色、形,臭いとも捨てるにも困っていた。そこで考えたのは腐った豆腐に白砂糖と唐芥子の粉をまぜたものを長崎名物珍味 『ちりとてちん』と命名し、あの気取り屋の男に食わせることにした。男は例によって、この『ちりとてちん』は何度も食べたことがある珍味だといい、長崎名物の絶品の珍味だと息巻く。そして食する羽目になる。男は逃げ場もない。とうとう口に入れた。涙はポロポロ、身体はがたがた。お味はと聞けば、「これは腐った豆腐のような味」だと。
『背なで老いてる唐獅子牡丹』鹿鳴家酒豪
元音響電機メーカーのサラリーマン。夫婦・女将が出てくる噺を多く手掛け、
年間60席以上口 演している。色物といわれる南京玉すだれ、手品も得意。
(あらすじ)
少子高齢化の中の任侠の世界の噺のようだ。組の親分が一番若い「てつ」を呼べという。その「てつ」も61歳。高齢化が進む中でどのような展開になるのか楽しみだが、演者は体調が悪いようで、半分ぐらいで退座した。
『くしゃみ講釈』鹿鳴家七夕
上方落語の雄、キャリアは落語教室でも一二を争う、上方囃特有の賑やかなハメもの
(音)いりが得意。プロ並みの腕前。
(あらすじ)
男は彼女と夜半逢い引き中に、犬の糞を踏んだ講釈師によって逢い引きを台無しにされ、彼女から一方的に別れを告げられてしまう。男は兄貴にこのいきさつを話し、男は復讐を決意する。講釈師が釈台に上がり、語りはじめる。ふたりは計画通りに唐辛子(コショーが売り切れ)の粉を火鉢にふりかける。すると、講釈師の語りは、しどろもどろになり、とうとうくしゃみが止まらなくなって止めてしまうという噺。
コメント
セミプロの面々、さすがに口座に上がってからの間合いとか、目の置きどころ、手や扇子を用いての動作など、勉強になりました。噺は古典落語でしたのでダジャレが少なく、思わす声を出して笑ったり、手をたたく場面が少なかったというのが印象ですが、十分に楽しませていただきました。